治療院経営成功の実学

自由診療を増やす非常識な王道

治療院のコンセプトを作る① 強みを洗い出す

では、コンセプト作りに入っていきましょう。

 

コンセプトを作る際に気をつけたいことが一点あります。

①自院の強みややりたいことでコンセプトを作ったけど、患者にとっては魅力的ではない

②患者が魅力を感じるコンセプトだけど、自院の強みではないし、自分がやりたいことではない

 

①②のどちらになっても、そのコンセプトでは上手く行きません。

①だと、患者が魅力を感じないので選ばれませんし、②だとストレスが多くて楽しくないから続けることがしんどくなるからです。

自院の強みを生かし、患者さんが魅力を感じるコンセプトにするには、売手と買手の両方の視点から強みを数えていくべきなんですね。

出典:photoAC

 

この点だけ注意をしておけば、コンセプト作りは難しくありません。

料理を作る時、素材を集めて下処理し、調味料やスパイスを用意して、調理しますが、それと同じようにすれば、コンセプトは簡単に作ることができるからです。

 

【治療院のコンセプトの作り方】

Step1:素材を集める=自院の強みを洗い出す

Step2:下処理をする=独自性のある強みを選び出す

Step3:スパイスを用意する=ベネフィットを考える

Step4:料理する=強みとベネフィットからコンセプトを決定する

 

◘Step1:自院の強みを洗い出す

では、まず、コンセプトの素材となる「自院の強み」を洗い出していきましょう。

 

でも、いきなり、「強みを書き出してください」と言われても困りますよね。

これまで、多くの治療院の先生に、「強みを書き出してください」と言う質問をしてきましたが、ほとんどの方が「えっ!?強みですか…?」と言う反応だったので、よく分かります。

突然、強みを書き出せと言われても、すぐには思いつかない…というのが普通です。

 

でも、糸口があれば、強みを洗い出すのは難しくなくなるもの。

以前にお話をした「治療院のKBF」に関連するもので、自院の強みを考えてみてください。

 

それに、患者が治療院を選ぶ要因(KBF)を基準にすると、自院と患者、両方からの視点で強みを考えることができるので、いい強みが出てくるのです。

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【治療院の基本KBF】

治療技術(専門性も含む)/治療費/対応/雰囲気/立地/キャラクター

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思い付いたり、気が付いた強みは、箇条書きで書き出します。

書き進めるうちに、「あっ!こんな強みもある」と思いつくものあれば、それが基本のKBF以外に関するものでなくても、それも書き出すようにしてください。

 

自院の強みと患者のニーズが重なる部分、それが理想的な強みです。

◘強みについて

強みを洗い出すとき、気をつけたいのが、「強み」に対する考え方。

一般的に強みと言うと、「他よりも抜きんでて勝っているもの」と思ってしまいがちなのですが、その考えを一旦捨ててください。

 

もし、他と同じようなレベルであったり、場合によっては、他よりも劣っていたとしても、患者が魅力を感じるものであれば、それは強みです。

 

例えば、治療技術。

上を見れば、先生よりも高い治療技術を持っている人は、世の中にたくさんいるでしょう。でも、既存の患者に治療技術を褒められているとしたら、それは強みに数えていいのです。

 

他にも、他院より特別に丁寧な対応ができている訳では無くても、患者に「先生のところは、いつも親切ね」と褒められたことがあるなら、それは強みでいいのです。

それから…。

強みと同時に、先生が今後、やっていきたいことや、やりたいことも、思いついたら書き出しておきます。

例えば、今は一般的な治療を行っているけど、本当は、スポーツ障害を診ていきたいと考えていたり、特定の症状に特化したいと考えているのなら、それも書き出すのです。

ただ、これは、「強み」ではなく、「願望」ですから、強みと混ざらないように、別の紙に書き出すようにしてください。

 

こうやって、「強み」と「願望」を書き出せば、Step1は終了です。