コンセプトは経営の背骨
「先生の治療院のコンセプトは何ですか?」
この質問を、これまで500人以上の治療院経営者にしてきましたが、さっと答えてくれた人はわずかしかいません。そして、その全てが売れてる治療院の先生でした。
コンセプトをもっている先生は、何故、上手く行くのでしょうか?
コンセプトとは、直訳すると「概念」や「発想」という意味です。
そして、ビジネスの現場においては、商品やサービス、企画やプロジェクトにおける基本的な方向性や、枠組みといった意味で使われています。
例えば、スターバックスのコンセプトは、「サードプレイス(Third place)」。
「家庭でも職場でもない第3の空間を提供する」という方針で経営されています。
確かに、スタバって、シアトルを感じるような雰囲気で、珈琲を楽しみながらゆっくりくつろげる、ちょっと非日常的な空間になっていますよね。
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コンセプトを持つと、魅力を伝えやすくなるし、経営判断がしやすくなります。
例えば、「家庭でも職場でもない第3の空間を提供」と聞けば、そのお店はちょっとした非日常的な空間を楽しむことができるところなんだ…と魅力が伝わります。
それに、コンセプトがあれば、新店舗を出す時にも、「どんな雰囲気のお店にしようか?」「どんな家具を揃えようか?」「どんな品ぞろえにしようか?」と悩むことはありませんよね。コンセプトに沿ったものにすればいいだけなのですから。
少し話は飛びますが、戦略とは、やらないことを明確化することです。
やらないことが明確になると、やるべきことに、時間やコスト、エネルギーといったリソースを集中することができる。つまり、選択と集中ができるようになるのです。
持っているリソースを集中すれば、総合力で勝る相手にも勝つことができます。
織田信長が桶狭間の戦いで勝利できたのも、戦力を集中したからですよね。
コンセプトを持つと、戦略的な経営判断ができるようになる。
だって、コンセプトと照らし合わせ、コンセプトに合わないものはやらず、会うものだけやればいいのですから。
優れた治療機器の説明を受けると「この治療機器を導入したほうが良いのだろうか?」、動画で集客に成功した治療院を見ると「うちも動画を始めるべきだろうか?」、美容系で儲けている治療院の話を聞くと「美容系のサービスを始めたほうが良いのだろうか?」と迷ってしまい、そのことに時間やエネルギーを消費して疲れしまう…なんてことは無くなるのです。
これは、経営者として非常に大きなメリット。
まさに、コンセプトは経営の背骨と言うべきもので、背骨が無ければグニャグニャ人間になってしまうように、コンセプトが無い経営は、選択と集中ができないので悩み続けることになるのです。
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