治療院経営成功の実学

自由診療を増やす非常識な王道

治療院のコンセプトを作る④ コンセプトを決定する

コンセプトは、直訳すると「概念」「全体を貫く基本的な観点・考え方」です。

概念ですから、どうしても抽象的なものになります。スターバックスのコンセプトの「サードプレイス(Third place)」も、それだけを聞いたら、抽象的過ぎて何のことか分かりませんよね。「サードプレイス=家庭でも職場でもない第3の空間を提供する」という補足説明があって、「あぁ、そういう意味か!」と言うのが理解できるのです。

それにしても、「サードプレイス」って、言いたいことを短い言葉で上手く纏めていますよね。

出典:photoAC

自院のコンセプトを作る時、スターバックスのようにうまく纏める必要はありません。

大切なのは、カッコいいかどうかではなく、ちゃんと使えるコンセプトになっているかどうかだからです。

コンセプトは、「経営判断をする時の基準」、「患者様に魅力(他院との違い)を伝える」のに必要なものでしたよね。その使い方ができれば、カッコよく纏まっていなくてもいいのです。

 

◘コンセプト=テーマ×約束で考える

コンセプトは、「テーマ」と「約束」に分けると作りやすくなります。

 

「テーマ」とは、主題。自院で実現しようとしていること。

そして、「約束」とは、そのテーマを実現するための、患者との約束です。

テーマはひとつですが、テーマを実現する約束は3~5つくらいあると分かりやすいです。

このテーマと約束を、ここまで書き出した「自院独自の強み」「やっていきたいこと」「ベネフィット」を見ながら考えていきます。

《例①》

●テーマ:根本から健康な体で快適な人生を楽しむ

●約束:

①主訴ではなく、主訴を起こしている根本から治療を行う

②問診、動作確認を行い、体の状態を納得できるまで説明

③日常生活でのセルフケアの方法を提案

④プライバシーの守られた空間で施術

⑤定期メンテナンスでカラダの歪みを改善

 

《例②》

●テーマ:生涯、スポーツを楽しむを応援する

●約束:

①メインはスポーツ障害・スポーツ外傷の治療

②筋膜リリースで動きやすいカラダをサポート

③基本的な体の使い方・動かし方の指導

④ランニングのトレーニング方法の提案

⑤メンタルのサポート(考え方など)

 

上記の例は、ベネフィットから考えたテーマにしてありますが、猫背矯正、産後の骨盤矯正、睡眠障害と言った症状を特化し、それをテーマにするのもありです。

 

◘コンセプトは変更してもいい

コンセプトは、一度、作ると、生涯それを守り続けないといけないものではありません。

実際にそのコンセプトでやってみて、上手く行かなければ変更してもいいですし、逆に、上手く行くことでコンセプトを進化させるという意味で変更をすることもあるかもしれません。

真面目な先生ほど、「完璧なコンセプトを作らなければ…」という思いに囚われて、コンセプト作りができなくなる傾向があるのですが、あまり硬く考えないで、フィーリングで決めるくらいの感覚でコンセプトは決めるようにしましょう。

 

コンセプトが決まると、何をやって何をやらないでいいのか。患者様に何を伝えればいいのかが明確になるので、治療院経営が非常にスッキリし、売上を伸ばすことに力や時間を集中できるようになります。