治療院経営成功の実学

自由診療を増やす非常識な王道

高額治療への移行の仕方

さて、この段階で、心に引っかかるものがあるとするなら、それは、「急に値段を上げたら、一気に患者さんが流出するのではないだろうか…」という不安だと思います。

確かに、治療費を上げると、既存の費用に魅力を感じていた患者さんは流出します。それに、既存の患者さんが流出したからと言って、新しい高額治療の患者さんを集客できるわけでは無いでしょうから、どうしても、一定期間売上は下がってしまうので、不安を感じて当然です。

 

既存患者の流出と、新規患者の集客までのタイムラグによる売上の低下を、どうやって乗り越えるのか。これが高額治療に移行するときの経営上の天王山になるのです。

◘移行方法① 既存の患者さんはそのまま

既存患者の流出と、新規患者の集客のタイムラグによる売上低下を防ぐ一番の方法は、既存の患者様は既存の料金で、新規の患者さんは新たな料金にすることです。

これなら、既存の患者が流出することは無くなるので、タイムラグによる売上低下自体が無くなります。

新料金にする前に、既存の患者さんに、今度、料金変更をすること、でも今、来ていただいている患者さんは、これまでの料金で治療を受けられることを、口頭だけでなく、チラシを作って手渡し、しっかり訴求しておくようにしましょう。そうすることで、治療院の前の看板の料金表を新料金に変えたとしても、安心して来院していただけるようになります。

ただ、この方法のデメリットとして、質の悪い患者さんが残ってしまうというのがあります。

◘移行方法② 期間を設定する

既存の患者さんは、既存の料金のまま治療を行いますが、その期間を限定します。

例えば、現在、5,000円で自由診療を行っているのであれば、既存の患者さんは、向こう半年間、既存の料金で受けることができる。でも、その期間を過ぎれば、新料金で治療を受けてもらうという形ですね。

この方法でも、既存患者の流出と、新規患者の集客のタイムラグによる売上低下をしっかり防ぐことができます。

もちろん、この場合も、新料金にする前に、既存の患者さんには口頭だけでなく、チラシなどを作って手渡し、訴求をしておくようにしてください。

この方法のメリットは、設定期間が終わると、質の悪い患者さんがいなくなること。デメリットは、設定期間が終わったタイミングで売上の低下が起こることですが、それまでに新規の患者さんを集客しておけば、この売上の低下による経営への負担は少なくすることができます。

◘移行方法③一気に料金変更

既存の患者さんも、新規の患者さんも、同じタイミングで値上げをする方法。

この場合も、既存の患者さんには、いつから治療費が変わるのかを口頭だけでなく、チラシなどを作って手渡して、しっかり訴求をしておきます。

既存患者の流出と、新規患者の集客のタイムラグによる売上低下は確実に起こるので、その期間を貯蓄などで耐える必要があります。ただ、その期間中に、患者の質を一気に変えることができるというメリットが有ります。

◘どの方法がベター?

どの以降方法を選ぶのかは先生の自由ですが、リスクの低さを優先するなら①か②、体力があるのなら③を選ぶといいでしょう。

①か②で、既存患者の流出と新規患者の集客までのタイムラグによる売上の低下を低いレベルに抑えれば、経営に大きな影響を受けることなく、高額治療に移行することができます。