治療院経営成功の実学

自由診療を増やす非常識な王道

治療費を上げると患者の質が変わる

安くないと治療を受けない患者さんと、高くても治療を受ける患者さんは、「質」が異なります。どちらの患者さんを増やしていくのかは、経営者である先生が決めていいこと。

でも、どんな質の患者さんを増やしていくのかで、経営の仕方は異なってくるので、その違いを知った上で判断するようにしたいものです。

出典:photoAC

◘健康への関心度が高い

人はお金があるから高いものを購入するのではなく、自分が興味を持っていたり、関心度が高いモノに高くてもお金を支払います。例えば、どんなにお金を持っていても、食に関心が無い人は高級料理店には行きませんが、一般的な収入でも、食に関心がある人は、他のものを節約してでも高いお店に食事に行くのです。

 

これは、治療にも、そのまま当てはまります。

安い治療しか受けない人は、自分の健康に関心や興味が少ないことが多く、高額の治療を受ける人は、自分の健康に興味や関心を持っていることが多いのです。

前者は、例えば、「カラダが冷えているようなので、半身浴とかしてみたらいいですね」「軽いストレッチと化したほうが良いですよ」などとアドバイスをしても言うことを聞きません。

それに、治療途中でも、生活に支障が無くなれば簡単に流出します。そして、また、症状がひどくなってから訪れるので、治療に手間がかかるのです。

一方、健康に興味や関心を持っているので、先生の言うことを素直に聞いてくれますし、治療途中での離脱も少ない場合が多いのです。

◘予約を守る

人は、自分がたくさんのお金を使っているものほど大切にします。

10万円で購入したパソコンと、20万円で購入したパソコンがあれば、後者の方を大切にする。利用料の高いグランピング施設でゴミのポイ捨てをする人はいませんが、無料で花見ができる公園にはゴミが散らかっていたりするのは、このためです。

 

保険を取り扱っている先生なら、保険の患者さんに限って「仕事が遅くなったので…」と、診察時間が終わってからやってくるのを経験したことがあるでしょう。自由診療でも、安い治療費でやっている先生は、予約を無断キャンセルされた経験があるはず。

安い治療を受けている人は、治療院を大切にしようとしません。そのため、この世なことを平気でやってしまうのです。

一方、高額の自由診療を受ける人は、お金を使っているので治療院を大切にしようとします。だから、予約の時間をきちんと守りますし、無断キャンセルなどもほとんどないのです。

◘クレームが少ない

他の業種の方に確認していただければ分かりますが、苦情を言ってくる人で多いのは、安い商品を購入した人です。それに、無理な要求をしてくるので多いのも、安い商品を購入した人。

逆に、高額商品をポンと購入した人は、苦情を言ってきたり、無理な要求をしてくることはほとんどないと教えてくれるはずです。

治療でも同じで、低額の治療を受けている人ほど、不満を持ったり、無理なことをお願いしてきます。一方、高額の治療費を支払う患者さんが苦情や無理難題を言ってくることはほとんどありません。

 

このように、安い治療を受ける人と、高い治療でも受ける人では質が違います。

高い治療費でも治療を受けるのは、「健康への関心度が高い」「時間を守る」「クレームが少ない」患者さんです。

 

治療費を上げると患者さんが流出する…というのは事実ですが、正しくは、治療費を上げると質が低い患者さんが流出し、代わりに、質の高い患者さんが入ってくるようになるのです。

どちらの患者さんを増やすのかは、先生が決めることですが、治療費が高い患者さんを増やした方が、治療院経営のストレスは少なくなります。