治療院経営成功の実学

自由診療を増やす非常識な王道

自由診療は「1:2:2.5」の3つを作る

さて、先回は、価格設定の大切さを知っていただくために、「自由診療の計算式」について解説させていただきましたが、一般の治療院であれば、「1:2:2.5」で3つの料金帯を作り、そこから治療コースを考えていきます。

 

「1:2:2.5」とは、例えば、Aコース:1万円、Bコース:2万円、Cコース:5万円という感じで、Aコースを1万円にしたら、Bコースをその2倍、CコースをBの2.5倍で価格設定をするのです

出典:photoAC

◘治療費の基本は1万円から

私は、これまで20年近く治療院の先生に売上アップのアドバイスをしてきましたが、基本は「1万、2万、5万の3つのコース」を作ることを提案しています。

何故なら、自由診療の計算式でいちいち計算しなくても、最低料金のコースを1万円に設定しておけば、ほとんどの治療院で「経営が成り立つ」と「儲かる」の基準を満たした治療費になること。

 

それから、1万円のコースなら、今の延長線で治療内容を考えることができますが、2万円や5万円を支払っても満足する治療コースとなると、既成概念を捨てないと考え付くことができません。だから、高い治療費を先に設定すると、既成概念にとらわれない自由な思考が広がりやすくなるのです。

 

1万、2万、5万のコースを作るメリットは他にもあります。

1万、2万、5万の3つのコースを並べると、1万円の治療費が安く感じます。

それに、松竹梅のように3つのコースがあると人は真ん中の竹を選びやすい傾向があるので、2万円のコースも受ける人が出てきます。

5万円のコースは、1万、2万円のコースが売れやすくするための、いわば「見せ商品」ですが、このコースを頼む人も出てきます。1回5万円の治療が決まれば利益率は一気に上がります。

 

そして、何よりの最大のメリットは、先生や治療院をブランド化できるということです。

 

◘治療費を上げるとブランド化される

先生は、「5千円で治療をしています」という治療家Aと、「5万円で治療をしています」という治療家Bでは、どちらが治療の腕前が良いと思いますか?

ほとんどの方が、治療家Bだと答えると思います。

 

あらゆる分野で「販売価格=商品やサービスの品質のレベル」だと、ほとんどの人は考えています。

千円のバッグより、1万円のバッグの方が品質はいいと思うし、100万円のクルマより1000万円の車の方が走行性も安全性も高いと思うものなのです。

 

治療も同じで、自由診療を5千円で行っている先生のことは、5千円の治療技術しか持って無いと思うし、5万円の治療も行っている先生のことは、それだけ高い治療技術を持っていると思うのです。つまり、治療メニューの中に5万円のコースを入れておくと、「凄い先生だ」と思われブランド化される。

 

A.5千円の治療しかできない先生の3千円の治療

B.5万円の治療の腕前を持っている人の1万円の治療

本気で治したいと思っている人は、どちらを選ぶと思いますか?

当然、Bですね。

このように、治療コースに中に高額治療を入れておくことで、患者の信頼を獲得するだけでなく、他の治療院より選ばれやすくなるのです。

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